賃貸マンションのインターネット環境に新たな選択肢
動画配信の4K/8K化やテレワークの常態化により、高速・大容量・低遅延なインターネット環境は、もはや分譲マンションだけでなく、賃貸マンションにおいても物件選びの重要な要素となっています。しかし、賃貸マンションではこれまでLAN配線方式が主流であり、通信速度や安定性に課題を抱えるケースも少なくありませんでした。
こうした背景の中、集合住宅向け通信インフラの設計・技術支援を手がける株式会社テンフィートライトは、次世代通信規格「XGS-PON」を用いた賃貸マンションの全戸10Gbps光回線(FTTH)化を本格的に展開することを発表しました。
「ロイヤルパークス有明」で実証された10Gbps化
テンフィートライトは、大和ハウス工業が施工し、D.U-NETがインターネット環境を提供する「ロイヤルパークス有明」(東京都江東区・総戸数642戸)において、台湾AirLive社製の「MINI XGS-PON」を用いた構内光配線(FTTH)インフラを導入しました。

この導入を皮切りに、賃貸マンション市場における次世代通信規格「XGS-PON」の国内展開を強化していく方針です。
XGS-PONとは
XGS-PON(10-Gigabit-capable Symmetric Passive Optical Network)は、1本の光ファイバーを複数ユーザーで共用し、上り下り共に最大10Gbpsの通信速度を実現する光通信規格です。
MINI XGS-PONの特長と利便性
今回導入される「MINI XGS-PON」による構内PON方式には、賃貸マンションの入居者と管理者双方にメリットをもたらす特長があります。
1. 上下最大10Gbpsの対称型通信
従来のGPON(非対称型)ではダウンロード速度に比べてアップロード速度が遅い傾向がありましたが、XGS-PONはアップロード・ダウンロード共に最大10Gbpsの対称型通信を実現します。これにより、高画質でのWeb会議、大容量データのクラウドへのアップロード、オンラインゲームなど、現代の多様なライフスタイルに合致した快適な通信環境を提供します。
2. 電源レスの中継設備による高い信頼性と効率性
各階の中継設備に電源を必要としないスプリッター(パッシブ素子)を採用することで、以下の利点があります。
-
障害リスクの低減: 共用部の停電や機器故障による通信断のリスクを最小限に抑えられます。
-
コスト削減: 電気代が不要となるため、運用コストが削減され、将来的なメンテナンスコストも大幅に圧縮できます。
-
省スペース: 小型筐体のため、既存のMDF(主配線盤)や盤内への設置も容易です。
3. 信頼のサプライチェーン
採用されているAirLive社製品は台湾国内で設計・製造されており、高い品質とセキュリティ基準を満たしています。これは、通信インフラにおける地政学リスクの軽減にも寄与すると考えられます。

既存資産を活かす「WDM(波長分割多重)」技術
テンフィートライトは、将来的な拡張性を見据え「OLT-2XGS-WDM」の展開も進めています。この製品は、WDM技術を用いることで、1本の光ファイバー上で「既存のGPON(2.5Gbps)」と「次世代のXGS-PON(10Gbps)」を共存させることが可能です。
この技術により、建物全体の設備を総入れ替えすることなく、以下のような柔軟な運用が実現します。
-
高スペックを希望する住戸と既存スペックを希望する住戸を棲み分ける
-
将来的に段階的にXGS-PONへ移行する
これにより、設備投資の負担や手間を抑えながら、物件のグレードアップを図ることが可能になります。この「OLT-2XGS-WDM」は、2026年2月11日より大阪で開催される「JANOG57」にて実機展示される予定です。
「JANOG57」出展概要
-
イベント名: JANOG57 Meeting in Osaka
-
開催日程: 2026年2月11日(水・祝)~13日(金)
-
会場: ナレッジキャピタル コングレコンベンションセンター(大阪市北区)
-
展示内容:
-
構内PON方式およびXGS-PONの実装事例・設計知見の共有
-
WDM対応装置「OLT-2XGS-WDM」の実機展示
-
今後の展望
テンフィートライトは、「未来のあたりまえ創造カンパニー」として、大規模物件だけでなく、中小規模の賃貸マンションやアパートにおいても、次世代光インフラ(構内PON)の普及を支援していく方針です。建物の規模や構造に合わせた最適な設計と技術提供を通じて、国内のインターネット環境の高度化に貢献することを目指しています。
テンフィートライトのAirLive社製品に関する情報はこちらです。
https://www.10fw.co.jp/airlive/
株式会社テンフィートライトについて
株式会社テンフィートライトは、1998年よりマンション向けインターネットサービスを全国で展開してきました。その経験と知見をもとに、近年は災害時の情報共有ツール(SNS)やインターホンアプリの企画・設計・開発も手掛けています。同社は、マンションに住む人々の課題やニーズに寄り添い、通信とソフトウェアを組み合わせた「未来にあたりまえに利用されているサービス」を創造し続けています。
-
本社: 東京都中央区日本橋2-16-11 日本橋セントラルスクエア 7F
-
代表者: 代表取締役 相川 太郎
-
ITサービス提供戸数: 227,955戸(2025年9月現在)


コメント