仙台市で自動運転バスの実証実験が開始、通信安定性と都市OS連携で安全な運行を目指す

目次

実証実験の主なポイント

  • 実施期間とエリア: 東部北ルート(沿岸部)は2025年11月27日〜12月7日、秋保ルート(山間部)は2026年1月19日〜1月30日に運行されます。

  • 検証内容: 複数キャリア回線やローカル5Gを併用した通信安定性の確保、都市OSとのデータ連携による環境情報(道路凍結、災害情報、工事情報など)の活用が中心です。

  • 車両: 自動運転レベル2の日野自動車製「ポンチョ」が使用されます。

  • 目的: 災害時の避難や冬季の凍結路面、山間部での通信不安定といった地域特有の課題に対応する自動運転サービスの可能性を検証します。

  • 利用者向けサービス: 白杖利用者検知、案内ロボット連携、VTuberによる観光案内、乗客属性に応じた広告サイネージといったサービス体験もあわせて検証されます。

実証実験の概要とルート

本実証実験は、仙台市内の異なる地域特性を持つ2つのルートで実施されます。

東部北ルート

沿岸部に位置し、津波避難が必要となる災害対応の観点からの検証が求められる地域です。

運行期間:2025年11月27日~12月7日(土日含む)
乗車場所:三井アウトレットパーク 仙台港

自動運転バス

東部北ルートのアクセスは「三井アウトレットパーク 仙台港 公式サイト」をご参照ください。

東部北ルート運行路

秋保ルート

山間部に位置し、通信が不安定になりやすい環境下での安定した通信確保の検証に適しています。

運行期間:2026年1月19日~1月30日(土日含む)
乗車場所:秋保・里センター

秋保ルートのアクセスは「秋保・里センター 公式サイト」をご参照ください。

秋保ルート運行路

自動運転車両

本実証実験では、自動運転レベル2の日野自動車製「ポンチョ」が使用されます。

通信の安定性確保と遠隔監視体制

本実証実験では、各ルートの地域特性に応じた通信制御技術が検証されます。

  • 東部北ルート: 災害時の通信輻輳を想定し、5Gワイド(パケット優先制御)やネットワークスライシングを用いて、遠隔監視に必要な通信を優先的に確保できるか検証します。また、docomo MECによるエッジ処理を活用した低遅延化・セキュリティ向上の効果も検証されます。

  • 秋保ルート: 山間部の電波状況が不安定な環境を想定し、複数キャリア回線を併用した自動切替制御や、電波不感エリアでのローカル5Gによる補完が検証されます。光回線の代替として、衛星通信(Starlink)の活用による山間部でのローカル構築も行われます。

NTTドコモビジネスが2025年10月8日に発表した「通信安定化ソリューション」が活用され、走行中の通信品質低下や遅延・途切れを抑えることを目指します。
詳細はこちらをご参照ください: NTTドコモビジネス 通信安定化ソリューション

両ルート共通で、運行中の車両を常時モニタリングする遠隔監視拠点が設置され、体制についても検証が行われます。

実証実験の構成

都市OSとの連携による環境情報活用

安全な自動運転の実現に向け、都市OSとの連携による環境情報の活用も検証の重要な要素です。

  • 東部北ルート: 都市OSを通じて連携される道路工事情報や災害情報を車両に伝達し、安全運行に活用する仕組みを検証します。これにより、冬季の凍結路面や災害・道路規制といった厳しい走行環境下での安全性を確認します。

  • 秋保ルート: 車載センサーで取得した凍結路面情報を都市OSへ連携し、走行制御に反映する仕組みを検証します。

実証イメージ

利用者向けサービス体験の検証

走行・通信制御の技術検証とは別に、利用者の移動体験に着目したサービス連携も実施されます。これらの機能は、VTuberによる車内アナウンスを除き、実証期間中の一部日程でデモンストレーション形式で提供されます。

  • 視覚障がい者支援(白杖検知): 車内カメラで白杖利用者をAI検知し、遠隔監視室や案内ロボットへ通知する仕組みを検証します。

  • 案内ロボットとの連携誘導: 白杖検知情報と連動し、施設内の案内ロボットが目的地まで誘導する仕組みを検証します。

  • VTuberによる観光案内・乗客応対: 車内ディスプレイを通じたVTuberによる運行情報や観光案内の発信、リアルタイムでの乗客からの問い合わせ応答を検証します。

  • 乗客属性に応じたサイネージ広告表示: 車内サイネージにより、利用者の属性を判別し、興味・関心に応じた広告や周辺施設情報を提示する仕組みを検証します。

サービス体験のイメージ

今後の展開

本実証実験を通じて得られた成果や知見は、仙台市における地域交通の持続的な確保に活用されるとともに、全国の類似地域における自動運転の社会実装に向けた検討に役立てられます。

本コンソーシアム各社は、複数キャリア回線やローカル5Gの活用、都市OSとの連携による環境情報の車両制御への反映といった取り組みを、2027年までに自動運転サービスに商用適用することを目指しています。

乗車方法と運賃

本実証実験の自動運転バスは、試乗専用乗車予約サイトからの事前予約制で、運賃は無料です。1便あたりの乗車定員は10名です。

乗車予約サイトURL:https://coubic.com/sendai_poc_bus_fy25

遠隔監視システムの見学も、乗車予約サイトより事前予約が可能です。

注意点

天候などの影響により、手動運転への切り替えや運休となる場合があります。

どんな人におすすめ?

  • 自動運転技術に関心がある方: 最新の自動運転技術が実際にどのように機能するかを体験したい方。

  • 仙台市への旅行を計画している方: 仙台の沿岸部や秋保地区を巡る新しい交通手段を試してみたい方。

  • MaaS(Mobility as a Service)やスマートシティの取り組みに興味がある方: 地域課題解決に向けた先進的な取り組みを間近で見たい方。

今回の実証実験は、自動運転技術の社会実装に向けた重要な一歩となります。気になる方は、ぜひ乗車予約サイトをご確認ください。

出典:プレスリリース

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