東京メトロ丸ノ内線で楽天モバイル・UQmobileの通信速度を実測、駅環境が最大856倍の速度差を生む調査結果

目次

調査の要点:地下鉄通信速度は「駅環境」が決め手

今回の実測調査から、地下鉄における通信速度は「駅環境」が決定的な要因であることが示されました。下り速度(ダウンロード速度)において、同一キャリア内でも最大856倍の速度差が発生しており、利用するSIMの種類よりも、どの駅で利用するかが通信品質に大きく影響することが判明しています。

駅別にみる同一SIMの通信速度差

主なポイントは以下の通りです。

  • 下り速度で同一キャリア内で最大856倍の速度差を記録しました。

  • 通信品質は「SIM性能」よりも「駅環境」が決め手となります。

  • 高架駅(後楽園・御茶ノ水)は電波が良好で高速通信が可能です。

  • 複雑な構造の駅(銀座)は電波環境が厳しく、低速になる傾向が見られます。

速度調査の概要

調査は2025年12月8日(月曜日)の9時から10時30分の間に実施されました。対象は東京メトロ丸ノ内線の主要9駅で、UQmobileの「くりこしプランS(V)・通話パック」と楽天モバイルの「Rakuten 最強プラン」が測定対象となりました。測定にはUQmobileでGoogle Pixel 7、楽天モバイルでiPhone 15を使用し、各駅ホームにて「Speedtest by Ookla」で上下速度とPingが計測されました。

項目 内容
対象路線・駅数 東京メトロ丸ノ内線・9駅
計測日時 2025年12月8日(月曜日) 9時~10時30分の間
対象プラン ・UQmobile:くりこしプランS(V)・通話パック ・楽天モバイル:Rakuten 最強プラン
測定方法 各駅ホームにてスマートフォンを使用し、Speedtest by Ooklaで上下速度・Pingを計測

地下鉄9駅の通信速度実測データ

下り速度の実測結果では、楽天モバイルは後楽園駅で411Mbps(最速)、銀座駅で0.48Mbps(最低速)を記録しました。一方、UQmobileは御茶ノ水駅で294Mbps(最速)、新宿駅で52.1Mbps(最低速)でした。

後楽園駅が最速だったのは、丸ノ内線で唯一の高架駅(地上2F)であり、電波が届きやすいためです。銀座駅が最低速だったのは、3路線が交差する複雑な構造、古い駅舎、高い混雑度が原因として挙げられています。

地下鉄9駅におけるキャリア別通信速度実測比較

キャリア別の最速・最低速ポイント(下り速度)

キャリア 地点 下り速度
楽天モバイル 後楽園駅 411Mbps
楽天モバイル 銀座駅 0.48Mbps
UQmobile 御茶ノ水駅 294Mbps
UQmobile 新宿駅 52.1Mbps

9駅の下り速度一覧

駅名 楽天モバイル UQmobile
霞ヶ関 854.0Mbps 135Mbps
銀座 0.48Mbps 62.4Mbps
赤坂見附 51.4Mbps 127Mbps
池袋 39.2Mbps 165Mbps
東京 6.30Mbps 184Mbps
新宿 10.7Mbps 52.1Mbps
御茶ノ水 38.3Mbps 294Mbps
後楽園 411Mbps 98.3Mbps
大手町 23.8Mbps 89.3Mbps

UQmobileは全駅で52Mbps以上を維持し、安定した通信品質を示しました。楽天モバイルは駅によって速度差が大きく、特に銀座駅(0.48Mbps)や東京駅(6.30Mbps)では日常利用に支障が出るレベルの速度でした。

東京、大手町、御茶ノ水、新宿駅での通信速度テストの様子

なぜ駅によって通信速度が大きく異なるのか?

地下鉄の通信速度は、地下深度、駅構造、混雑度、基地局配置の4つの要素によって大きく左右されると考えられています。SIMの性能差以上に、これらの物理的な条件が速度差に影響を与えます。

駅名 地下深度 1日乗降人員 混雑度 電波環境
池袋 B2F(中深度) 518,135人 ★★★★★
大手町 B1〜B2F(浅〜中) 334,541人 ★★★★★
銀座 B2F 230,271人 ★★★★☆
新宿 B2〜B3F 199,942人 ★★★★★
東京 B1〜B2F(浅〜中) 199,232人 ★★★★☆
霞ヶ関 B2〜B3F 132,884人 ★★★☆☆
後楽園 2F(高架) 104,894人 ★★☆☆☆
赤坂見附 B2F(浅め) 89,214人 ★★★☆☆
御茶ノ水 B1F+高架 54,548人 ★★☆☆☆

地下深度・駅構造が速度を左右する

高架駅は電波が良好で高速通信が可能ですが、深い地下や複雑な構造の駅では電波が届きにくく、低速になる傾向があります。銀座駅はB2Fに位置し、3路線が交差する複雑な多層構造のため、通信状況が特に厳しい駅となりました。一方、後楽園駅は丸ノ内線で唯一の高架駅、御茶ノ水駅はB1Fと比較的浅い地下に加え一部高架構造であるため、高速通信を記録しました。

タイプ 該当駅 傾向
高架・地上型 後楽園、御茶ノ水
浅い地下型 東京、大手町、赤坂見附
中深度型 池袋、新宿、霞ヶ関
深い地下+複合型 銀座

古い駅舎は電波環境改善が遅れている

コンクリートや金属、閉鎖的なホームは電波を遮蔽し、通信を不安定にすることがあります。特に古い駅舎では電波環境の改善が進んでいないケースが多く、1938年開業の銀座駅の老朽化した駅舎も通信環境に影響していると考えられます。

混雑度が高いほど速度が低下する

利用者が多い駅では帯域が分散され、一人当たりの通信速度が低下します。東京メトロ全130駅中、池袋駅は1位、大手町駅は2位と極めて混雑度が高く、ピーク時間帯には速度低下が顕著になります。

混雑度ランク 該当駅 平均速度傾向
★★★★★ 池袋、大手町、新宿 低〜中速
★★★★☆ 銀座、東京 低速
★★★☆☆ 霞ヶ関、赤坂見附 中〜高速
★★☆☆☆ 後楽園、御茶ノ水 高速

基地局配置がホーム付近にあると高速

ホーム付近にアンテナが配置されている駅は電波が安定し、速度が出やすい傾向があります。後楽園駅は東京ドームシティのイベント需要により基地局整備が充実しており、高速通信の一因となっています。

調査担当者のコメント

荒木孝博氏

調査を担当した荒木孝博氏(株式会社Adeval 代表取締役)は、同一キャリア内で最大800倍超の速度差が発生した点を最も特徴的だと述べています。これはキャリア間の性能差よりも、深度、建材、ホーム構造、混雑密度といった物理環境が通信性能を支配していることを示しています。

Pingに関しては、UQmobileが全駅で快適な基準内(30ms以下が快適・60ms超で遅延体感)に収まった一方、楽天モバイルは銀座駅など一部で閾値を超過しました。ただし、楽天モバイルの700MHz帯(プラチナバンド)運用開始により、地下深部の駅でも通信品質が大きく改善される可能性が示唆されています。

荒木孝博さんの詳細情報はこちらで確認できます。

地下鉄での通信速度に関するよくある疑問

Q:地下鉄に強いSIMはどれですか?

駅ごとに最適なSIMが異なるため、一概には言えません。例えば後楽園駅では楽天モバイルが最速でしたが、御茶ノ水駅や東京駅ではUQmobileの方が高速で、駅環境によって有利なSIMが変わります。

Q:なぜ銀座駅では通信速度が遅いのですか?

銀座駅はB2Fに位置し、3路線が交差する複雑な多層構造です。開業が1938年と古く、駅舎の電波環境改善が進んでいないことや、1日平均230,271人の乗降客による高い混雑度が重なり、電波減衰と帯域逼迫の3重苦で両社のSIMとも極端に低速となりました。

Q:なぜ後楽園駅や御茶ノ水駅では通信速度が速いのですか?

後楽園駅は丸ノ内線で唯一の高架駅(地上2F)であり、地下ではないため電波減衰がほぼなく、東京ドームシティのイベント需要で基地局整備も充実しています。御茶ノ水駅は神田川を渡る部分で地上に出る高架構造があり、地下部分もB1F程度と非常に浅いため、電波減衰が少ないです。また、9駅中最も乗降客数が少なく、帯域に余裕があります。

Q:楽天モバイルとUQmobile、地下鉄で安定しているのはどちらですか?

今回の調査ではUQmobileの方が全体的に安定傾向でした。全9駅で52.1Mbps以上を記録し、速度差も約5.6倍に収まっています。一方、楽天モバイルは最速411Mbpsを記録したものの、駅間の速度差が約856倍と非常に大きく、安定性では課題が見られました。

Q:Ping(応答速度)はどちらが優秀でしたか?

UQmobileは全駅で30〜41msと安定しており、快適な基準(30ms以下〜40ms程度)をほぼ満たしていました。楽天モバイルは大半の駅で36〜40msでしたが、銀座駅では72msと遅延が生じ、リアルタイム通信に支障が出るレベルでした。

Q:今後、地下鉄での通信速度は改善されますか?

楽天モバイルの700MHz帯(プラチナバンド)運用開始により、地下深部での通信改善が期待されています。700MHz帯は障害物を回り込みやすく、地下やビル内での電波到達性が高い周波数帯です。

Q:動画視聴やビデオ通話に必要な速度はどのくらいですか?

一般的に動画視聴は5Mbps以上、ビデオ通話は10Mbps以上が快適利用の目安です。今回の調査では、UQmobileは全駅でこの基準を満たしました。楽天モバイルは銀座駅(0.48Mbps)・東京駅(6.30Mbps)でこの基準を下回る結果となりました。

まとめ:駅環境が通信品質を決定づける

今回の東京メトロ丸ノ内線9駅における通信速度調査では、「地下鉄の通信品質はSIM性能より駅環境が決定的な影響を与える」ことが明確になりました。

  • 地下鉄の通信速度はSIMの性能より駅環境が決定的な影響を与えます。

  • 下り速度で同一キャリア内で最大856倍の速度差が発生しました。

  • 高架駅(後楽園・御茶ノ水)は電波良好で高速安定しています。

  • 銀座駅は複雑な多層構造(3路線交差)+古い駅舎+高い混雑度で最低速でした。

  • UQmobileは全駅で安定傾向を示し、楽天モバイルは駅により速度差が大きいです。

  • 楽天モバイルの700MHz帯運用で今後の改善が期待されています。

注意点・向いていないケース・比較時のポイント

  • 特定の駅での利用頻度が高い場合:楽天モバイルは駅ごとの速度差が大きいため、日常的に利用する駅の通信状況を事前に確認することをおすすめします。

  • 安定性を重視する場合:UQmobileは全駅で比較的安定した速度を維持しており、動画視聴やビデオ通話など、一定の通信品質を求めるユーザーに向いています。

  • 古い駅舎や深い地下駅での利用が多い場合:銀座駅のような古い構造で地下深く、混雑する駅では、どちらのキャリアも速度が低下する可能性があります。特に楽天モバイルでは顕著な遅延が見られました。

  • リアルタイム通信の利用頻度が高い場合:Ping値が遅延の目安となる60msを超える駅もあったため、オンラインゲームやWeb会議など、応答速度が重要な用途では注意が必要です。

  • 今後の改善に期待する場合:楽天モバイルの700MHz帯(プラチナバンド)運用が始まれば、地下での通信品質が改善される可能性があり、今後の動向に注目するのも一つのポイントです。

地下鉄での通信品質を重視する方は、普段利用する駅の電波状況を事前に確認することをおすすめします。

オールコネクトマガジン

出典:株式会社ALL CONNECTのプレスリリース
オールコネクトマガジン:https://all-connect.co.jp/magazine/

地下鉄での快適な通信環境を確保するため、自身の利用状況に合ったキャリアや駅での通信状況を検討してみてください。

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