2026年1月 全国47都道府県の5G通信速度実測調査:あなたの地域の通信環境は?
ICT総研は、2025年7月から12月にかけて全国47都道府県で実施した5G通信速度実測調査の結果を2026年1月6日に発表しました。この調査は、NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンク、楽天モバイルの4社のMNO(移動体通信事業者)を対象に行われ、各地域の通信環境の実態が明らかになりました。
調査概要:どうやって測った?
この調査では、スマートフォン「Google Pixel 7a」を使用し、速度測定サイト「インターネット速度テスト」(Google)にて、1地点あたり下り(ダウンロード)と上り(アップロード)の通信速度を3回ずつ実測しました。併せてレイテンシ(遅延時間)も記録されています。測定地点は、駅ホーム、県庁・市庁、大学、空港その他のランドマークを含む全729地点。優先ネットワークは「5G優先」設定とし、朝夕のラッシュ時間帯を避けた閑散時間帯に調査が行われました。
都道府県別 下り通信速度ランキング:最速は石川県、ワーストは栃木県
4社平均の下り通信速度で最も速かったのは石川県で、193.7Mbpsを記録しました。次いで福井県(192.1Mbps)、山形県(189.1Mbps)が上位に続いています。これらの地域では、動画視聴や大容量ファイルのダウンロードが非常に快適に行えるでしょう。

一方で、下り通信速度が最も遅かったのは栃木県で、83.4Mbpsに留まりました。山梨県(87.3Mbps)、長野県(88.2Mbps)がワースト2、ワースト3となっています。全国平均は140.2Mbpsであり、これらのワースト地域では平均を大きく下回る結果となりました。通信速度が遅い地域では、高画質動画のストリーミングや大容量データのやり取りに時間がかかるなど、利用体験に影響が出る可能性があります。
上り通信速度については、トップの兵庫県が39.2Mbps、ワーストの長野県でも16.0Mbpsと、都道府県ごとの大きな速度差は見られませんでした。これは、動画投稿やクラウドへのデータアップロードなど、上り通信が主となる用途においては、どの地域でも比較的安定した速度が期待できることを示唆しています。
5G受信地点比率:兵庫県がトップ、山梨県がワースト
5Gの「つながりやすさ」を示す5G受信地点比率では、兵庫県が4社平均で92.7%とトップを記録しました。熊本県(90.6%)、東京都(89.6%)がこれに続きます。これらの地域では、5G対応端末を利用していれば、高速な5Gネットワークに接続できる機会が非常に多いと言えるでしょう。

対照的に、5G受信地点比率が最も低かったのは山梨県で37.5%でした。新潟県(42.2%)、福島県(43.3%)がこれに続き、全国平均の67.9%を大きく下回っています。これらの地域では、5G対応端末を持っていても、実際には4Gネットワークに接続する時間が長くなる可能性があり、5Gの恩恵を十分に受けられないトレードオフがあると言えるでしょう。
レイテンシ(遅延時間):神奈川県が最短、沖縄県がワースト
レイテンシ(遅延時間)は、データが送信されてから応答が返ってくるまでの時間を示し、値が小さいほど快適な通信環境であるとされます。最短を記録したのは神奈川県で13.2ミリ秒でした。東京都(14.0ミリ秒)、埼玉県(14.9ミリ秒)が続き、首都圏での低遅延が際立つ結果となりました。オンラインゲームやビデオ会議など、リアルタイム性が求められる用途では、これらの地域の通信環境が非常に有利に働くでしょう。

一方、レイテンシが最も長かったのは沖縄県で41.0ミリ秒でした。山口県(35.9ミリ秒)、佐賀県(34.5ミリ秒)がこれに続き、全国平均の23.1ミリ秒を大きく上回っています。レイテンシが大きい地域では、オンラインゲームでのタイムラグや、ビデオ会議での音声・映像の遅延が発生しやすくなる可能性があります。
携帯キャリア別 下り通信速度トップ都道府県
携帯電話事業者別に下り通信速度の速い都道府県を見ると、各キャリアの地域ごとの強みが浮き彫りになります。
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NTTドコモ:石川県(256.7Mbps)がトップ。大分県(241.4Mbps)、滋賀県(238.1Mbps)が続く。
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au:福井県(326.4Mbps)がトップ。山形県(258.3Mbps)、沖縄県(257.2Mbps)が続く。
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ソフトバンク:秋田県(321.1Mbps)がトップ。愛媛県(303.7Mbps)、青森県(254.8Mbps)が続く。
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楽天モバイル:和歌山県(134.3Mbps)がトップ。富山県(104.0Mbps)、徳島県(98.9Mbps)が続く。

楽天モバイルは、下り通信速度では他事業者に差をつけられているものの、レイテンシでは良好な数値を記録している点が特徴的です。また、今回調査対象とした全国729地点のうち、電波の「圏外」となった地点はなく、4社全てが、全測定地点において4Gまたは5Gの電波を受信できたことも特筆すべき点です。
まとめ:あなたの通信環境とキャリア選びに活かすには
今回の調査結果から、お住まいの地域や利用頻度の高い場所における通信環境の傾向が見えてきます。
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速度重視なら:下り通信速度が速い石川県、福井県、山形県などの地域にお住まいであれば、どのキャリアを選んでも比較的快適な通信が期待できるでしょう。特にキャリアごとのトップ地域は、そのキャリアのネットワークが最適化されている可能性が高いと言えます。
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つながりやすさ重視なら:5G受信地点比率が高い兵庫県、熊本県、東京都などの地域では、5G対応端末のメリットを最大限に享受できます。一方で、比率の低い地域では、5Gの恩恵を受ける機会が少なく、4Gでの利用が主となることを考慮する必要があるかもしれません。
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リアルタイム性重視なら:オンラインゲームやビジネスでのビデオ会議が多い方は、レイテンシの短い神奈川県、東京都、埼玉県などの地域で、よりストレスの少ない通信体験が得られるでしょう。
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キャリア選びのヒント:お住まいの地域の通信速度や5G受信状況だけでなく、利用したいキャリアがその地域でどのようなパフォーマンスを発揮しているかを確認することが重要です。例えば、auが福井県で突出した速度を記録しているように、特定の地域では特定のキャリアが強みを持つ傾向があります。
ICT総研は、今後も「つながりやすさ」や「通信速度」について、ユーザーが利用するさまざまなシーンを想定し、ユーザーにとって指標となる実測データを定期的に提供していく方針です。
参考情報
- ICT総研ホームページ: https://ictr.co.jp/report/20260106.html


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